子どもは5歳までに神経系が約80%まで発達します。その時期にどう遊び、どう運動したかがとても大切です。
なぜ5歳まで?スキャモンの発達発育曲線
子どもが成長していく中で、器官や機能は個別の発達をしていきます。一つの事柄でも、吸収しやすい時期、しにくい時期があり、最も吸収しやすい時期に、適切な運動をするのが最適です。この発達していく特性を説明するときに「スキャモン曲線」が使用されます。 このグラフは成長発育を20歳でのレベルを100%として考え、各体の組織の発達・発育していく特徴を4つのパターンに分けてグラフ化したものです。スキャモンの発育発達曲線を参照すると、神経系統は生まれてから5歳頃までに80%の成長を遂げ12歳でほぼ100%になります。この時期は、神経系の発達が著しく、さまざまな神経回路が形成されていきます。神経系は一度その経路が出来上がるとなかなか消えません。たとえば、いったん自転車に乗れるようになると何年間も乗らなくても、いつでもスムーズに乗ることが出来ることからもそれが分かります。
この時期に神経回路へ刺激を与え、さまざまな動きを経験させることで、後の大きな成長の下地を作っていくことができるのです。また、子どもたちの大きな成長は5歳を過ぎても終わりではありません。スキャモンの発育発達曲線で5歳~13歳までの成長の特徴を見てみましょう。
5歳からの成長の特徴
プレゴールデンエイジ 5歳~8歳頃
常にさまざまな刺激を求める時期
神経系が著しく発達する時期です。この時期の子どもたちは一見集中力が無いように見えますが、そうではなくとても高い集中力を持ち、常にさまざまな刺激を求めています。多彩な遊びで子どもたちを飽きさず楽しませ、多面的なスポーツの基礎づくりをすることで、後に専門的なスポーツを行った時に覚えるのが早いと言われています。
ゴールデンエイジ 9歳~12歳頃
一生に一度 だけ訪れる「即座の習得」のできる時期
神経系の発達がほぼ完成に近づき、安定する時期です。一生に一度 だけ訪れる「即座の習得」のできるこの時期は、世界でも重要視されています。「即座の習得」とは、新しい運動を何度か見ただけで、すぐにその運動を大まかにこなしてしまう力のことです。しかし、この「即座の習得」はそれ以前の段階でさまざまな運動を経験し、神経回路を形成している場合にしかできません。だからこそ、プレゴールデンエイジも大切なのです。
ポスト・ゴールデンエイジ 13歳頃以降
それまでに身につけた技術を磨き上げる時期
発育のスパート期を迎えます。骨格の急激な成長は新たな技術を習得するには不利な時期となり、今までにできていた技術が一時的にできなくなったりすることもあります。しかしこの時期は、ホルモンの分泌の著しくなり速筋線維の発達を促し、それまでに身につけた技術をより速く、より強く発揮することができます。
バディではこの神経系統が著しく発達する幼少期にこそ、遊びやスポーツをさせることが子どもの成長に大切であると考えています。